1950年代後半か1960年頃に出版された日本の創作童話のアンソロジーで厚い本でした。私が知りたいお話は、外国で暮らしている男の子で、お父さんが長い旅に出かけるとき、大きなお菓子の缶に沢山の印をつけ、一日に一個食べたら、その印を消し、それが全部消えたら必ず帰ってくると約束するのです。ドイツ人のお婆さんが男の子の面倒を見るのですが、ダスとかデルとかいうドイツ語が男の子の不安と寂しさをかき立てていたように思います。結末をちゃんと覚えていないのですが、お父さんが何か大きな事故に遭ってしまう挿絵は記憶に残っています。かわいそうでかわいそうで、何とかもう一度読めないだろうかと思います。本自体は、たとえば小川未明の「人魚と赤いろうそく」のような有名な童話も入っていたように思います。