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(毎月一回の予定です)

ガーナのおすすめ本商会(7)
「ミルキー杉山のあなたも名探偵」シリーズ
著者・杉山亮
偕成社
今回紹介する本は「あなたも名探偵」シリーズです。

このシリーズは「もしかしたら名探偵」「今度こそ名探偵」みたいな感じで、名探偵の前の所の部分が変わって、それでこれは何巻だ、これは何卷だ、みたいにわかるようになっています。

どの巻から読んでも楽しめるのもいいところです。

この話は、主人公のミルキー杉山という人が探偵をしていく話で、1冊の中で事件編と解答編に分かれていて、事件編では絵や文章でその事件の内容と、事件を解決するヒントが書いてあります。解答編には、ミルキー杉山やその友達や子どもなどが、事件を解決して推理しながら謎を解いていき、犯人に向かって「犯人はあなたですね」みたいなことを言うのが書かれています。

事件編と解答編に分かれているので、事件編でヒントを読んで、これは誰々が犯人だな?とかこの事件はこれが謎だったんだな?と自分なりに推理して、解答編で答え合わせをするみたいな謎解きの要素も入っています。

私がこの本を今回紹介した理由は、この本の細かい設定などの世界観がいいなと思っていて、このミルキー杉山が探偵になった理由だとか、探偵をしている中での友達や家族だとか、そういう人間関係のていねいさが好きです。

ストーリーも好きなんですが、この本を書いている著者の杉山亮さんが込めた気持ちがちょいちょい見えるところがすごい魅力的だなあと思って選びました。

あとはこの主人公ミルキー杉山の人物像の紹介ページがあって(「もしかしたら名探偵」には書かれてないです)最新刊ぐらいになるとミルキー杉山のすべてというのが載っています。

これは最新刊じゃなくてもいいんですけど、シリーズの最初の頃と少しずつ違ってきているのがいいです。例えば、最初の頃はポケットに入っているものが、手帳や虫眼鏡や財布(中は2000円くらい)だったのが最新刊になると、スマホが入ってたり名刺が入ってたり、財布のなかみも3000円に増えていたり、ちょっとずつ変えてきていて、絵の雰囲気も変わってきているので、全巻読むと違いを比べられて面白いです。

大きな話が二つか三つ入っている本です。すごい探偵や泥棒が出てくるものが多いです。ちなみに私が1番好きな大泥棒はミス・ラビットという美術品を盗む泥棒なんですけど、そのミス・ラビットがミルキー杉山の息子にうさぎをあげたというエピソードも面白いです(「まってました名探偵」に入ってます)。

後はミルキー杉山の奥さんが離れて暮らしているんですけど、それがちょっとなんでなのかなぁ?って気になったりもします。

最初のところに詳しく書いてあるので見てみるのもいいと思います。

私が1番好きな話は「かめのコーラ事件」(ちなみに「亀のコーラ事件」は「あしたからは名探偵」の中に入ってます)と言う話です。「かめのコーラ」という大手会社の塀に「かめのコーラ会社のコーラは、他の会社のコーラを薄めただけだ!」と書かれるという事件なんですが、そこで一番面白かったのが、なんとそれが本当でしたというオチに「なにそれ、そうだったの〜!?」って感じが面白かったです。

さっきも書きましたが、細かい部分が好きな理由は最初のプロフィールがとてもよくて、一番最初の巻ではプロフィールではなく地図なんですが、その地図だとか、あとはその一つの事件が終わったら「ミルキー杉山の今日の出来事より」みたいなのが書かれていたりとか、一番最後のページに「泥棒新聞」があったりだとか、楽しめる要素がたくさんあっていろんな読み方ができるところです。

最近KingGnuばかり聴いているガーナでした!

2019/12/11