司書便り頂きました
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ブックトーク
「依存症のこと」
「依存症って言葉、聞いたことある人?」
と問いかけると
「ゲーム依存?」
と返ってくることが増え「話がはやいね、他には?」
といえば、時期によっては薬物、という返答がかえってくることもあります。
高学年では「薬物乱用防止教室」があるので、その後だと尚やりやすいです。 そのあと「本当の依存症の話をしよう」の冒頭から、合法ハーブにはまっていく様子を読みます。
ポイントは、うつなどで精神科の受診歴があり、そこで思うような改善が得られなかった人が、合法ハーブで一時的な改善を見た点です。
「さあ、続けますよ。この本は“ラット・パーク”という実験を読みやすいようにマンガにしたものです。その実験について読んでみます」
“~1970年代の終わり「ラットパーク(ネズミの楽園)」と呼ばれる有名な実験が行われました。この実験では、同数オス・メス合計32匹のネズミが、ランダムに16匹ずつ、居住環境の異なる二つのグループに分けられました。一方のネズミは、一匹ずつ金網の檻のなかに(「植民地ネズミ」)やそして他方のネズミは、広々とした場所に雌雄一緒に入れられました(「楽園ネズミ」)。楽園ネズミにはいつでも好きなときに好きなだけ食べられるように十分なエサも用意され、さらには、所々にネズミが隠れたり遊んだりできる箱や空き缶が置かれ、ネズミ同士の接触や交流を妨げない環境になっていました。 アレクサンダー博士らは、この両方のネズミに対し、普通の水とモルヒネ入りの水を用意して与え、57日間観察しました。そ!
の結果は非常に興味深いものでした。 植民地ネズミの多くが、孤独な檻のなかで頻繁かつ大量のモルヒネ水を摂取しては、日がな1日酩酊していました。 途中で、植民地ネズミのモルヒネ水を、砂糖水ではなく、普通の水に溶かし、苦くてまずいモルヒネ水に切りかえましたが、それでも檻の中のネズミは普通の水ではなく、モルヒネ水を飲み続けたのです。 一方、楽園ネズミの多くは、他のネズミと遊んだり、じゃれ合ったり、交尾したりして、なかなかモルヒネ水を飲もうとしなかったのです。もちろん、少数のネズミはモルヒネ水に飲みましたが、その量は植民地ネズミのわずか20分の1と少量でした。どうやらネズミにとって仲間との相互交流は麻薬などよりもはるかに魅力的な楽しみだったようです。そしておそらく楽園ネ!
ズミたちは、モルヒネを摂取すると、心身の活動性�
�鈍ってしまい、仲間との相互交流の妨げになることを嫌ったのでしょう。 「ラットパーク」実験からわかるのは、次のようなことです。 つまり、ネズミをモルヒネに耽溺させるのは、モルヒネという依存性薬物の存在ではなく、孤独で、自由のきかない窮屈な環境――すなわち「孤立」――である、ということです。~ ”
「これは人間にも当てはまります。でも今、薬物やアルコールなんて小学生の自分には関係ないと思いませんでしたか?」
「これから中学生になるにあたって、身近なところにも依存の可能性がありますよ。」
「万引き、それから痴漢。そして一番身近なのがインターネットとゲーム。それからリスカも近い問題です」
「依存症は一回なってしまうと、心の問題から脳の問題になります。」
ここで「スマホゲーム依存症 樋口進 著」などに、アルコール依存とゲーム依存の脳の比較写真(ほとんど変わらない)があるのでそれを見せます。
「依存症は、ストレスや不安、寂しさを紛らわせようとしてはじまります。子供だって強いストレスは感じるはずです。そうしてこういうことがストレスになるんです。」
といって
「どうしたらいいかわからない君のための 人生の歩き方図鑑 石井光太 著」の目次をみせます。
「この本は、あなたたちが困るようなことと同じ経験をして、助けを求めた子達の話と、相談できる機関について書いてあります」「例えば、夜の留守番。みんな我慢しているかもしれないけど、これはつらいって言っていいんだよ。」「あと、授業についていけない、とか、家にお金がないとか、前に話した性自認のこととか、抱えきれなくなる前に相談してください。我慢してると、つらいのを忘れるためにゲームにのめり込んだりしちゃうから」
「依存症はそうやって始まります。今悩みがない人も、頭にいれておいてください。あなたはそうでなくても、これから先、友達に相談されることがあるかもしれません。間違ったことをいわないですむようにあんな話があったなって思い出してくれればいいです。」
クラスをみながら大体こんな流れで話します。
そうして危機管理の棚に入れてる本を出しておくと意外にも借りられていきます。
虐待、いじめ、LGBTQ、ディスレクシア、緘黙、などなど。
養護の先生に好評だったのは以下。
「うちに帰りたくないときに読む本 川崎二三彦 監修」
「虐待とDVのなかにいる子どもたちへ チルドレン・ソサエティ 著」
「うちの子は字が書けない 千葉リョウコ 著」
「ザ・ママの研究 信田さよこ 著」