無観客が続く……。
無観客が続く……。
それでわかったのだけど、演劇は、客がいないと成り立たない。
客の反応に乗っかって返すわけだから、相手がいないとできない。
アテレコとテレビは客がいないの前提である。
ではスポーツは、というと……。
昔、ポール・ギャリコが書いてた話にこういうのがある。
ニューヨークのシンシン刑務所にボクサーたちが慰問に来た……。
ところが、囚人たちは声を出すことを禁じられていたので、打ち合いが始まったのだけど、その沈黙に耐えかねてボクサーたちがボクシングをできなくなってしまい、特別に声を出すことをを許可してもらって試合した、というのだ。
もちろんギャリコはこのネタを使って短編一本書き上げた。
確かにそう言われれば、客なしのボクシングはつらそうだ。
でも野球は、客なんかいない試合は一杯ある。
高校野球だって、学校のある日は応援になんて行けないんだから。
神宮球場にパラパラしか人がいなくったって野球はできる。
バスケは?
剣道は?
と考えていくと、スポーツにはあまり観客はいらないのかもしれない。
そして、たぶん相撲は究極に客がいらない、と思う。
もともと神事、で神様に捧げるためのものなんだから、客はいないのが前提条件のはずだよね?
お神楽だって、見物人にお尻向けてやるんだから……。
ということを考えると、みんなの期待を一心に背負って代表として戦う以外のものには、お客はいらないのかもな、と思う。
ボクシングとプロレスは、客がいないと切ないものね