「パブリック」 見てきました。
「パブリック」
見てきました。
これは極寒の冬、ホームレスが何人も凍死しているときに、シェルターも一杯、行くところがない、このまま外に出たら死んでしまう、と常日頃図書館を使ってる(だから利用者ですね!)ホームレスの男たち100人(圧倒的に黒人多し)が公共図書館に立てこもる話です。
彼らは開館と同時に図書館に入ってきて顔を洗い、歯を磨き、一日暖を取っているのですが(本も読むよ)今夜はマジに死ぬぞ!
という日に、意を決して立てこもるのです。
その日の朝、顔見知りのホームレスが一人、図書館の前で凍死したのを見てしまった図書館員を巻き込んで……。
で、これ見てしみじみ思ったのは、日本には公共図書館員なんてホントにいないんだなぁ、ということです。
この図書館の館長も黒人なんですが、シェルターを用意すればいいのでは?という彼の提案がけんもほろろに却下され、市長選に出るために点を稼ぎたい検察官(白人です)に強行突入する、といわれると
私は市民に情報を提供するために一生を捧げてきたんだ!
公共図書館は、民主主義の最後の砦なんだ!
図書館で暴力は許さない!
といって、自分も立てこもりに加わるのです。
うーん
日本の公共図書館の図書館員で、自分の仕事をそんなふうに意識してる人、どのくらい、いるんだろか。
いない、とはいえない……。
でも少なくとも図書館員になる人に対し、そういう教育はされていないと思う。
この映画のタイトルが、パブリック、であって、パブリックライブラリー、じゃないのは、そういうことなんだろな。
ことは、図書館だけじゃない。
およそ、公僕、と名のつく仕事してる人、みんなそういう立場にある、ってエステベスはいいたいんだと思う。
でも舞台を図書館にしたのはいいアイデアだった。
チャンス!とばかりに、ただの立てこもりを人質事件に仕立てようとしたニュースキャスター(黒人の女性なのに)を、スタインベックの「怒りの葡萄」の引用で黙らせるなんて、図書館員の本領発揮だよ。
😁
しかもそれを、10代の必読書よね(つまり、あなたは教養がないのね、と露骨に嫌味をいってるわけだ😁。ほう、だね。知的な仕事してる女は教養がないのね、と言われるとこたえるけど、この戦法は男には効かないような気がする)
とさらっといってのけるあたり……。
げっ、スタインベックっていまでもアメリカでは10代必読なの?
だけど。
😁
でも「ニューヨーク市立図書館」もそうだけど、アメリカには図書館を、ちゃんと理解してる映画人がいるんだなぁ。
というのは羨ましい限りです。
日本とは桁外れに問題も抱えてるけど。
司書は見られたら見るといいよ。