なぜ、紙の百科事典が必要なのか?といわれたあなたに
ギガスクールの時代に
なぜ今どき、紙の百科事典が必要なのか?
といわれたあなたに
ポプラディアを紙版で引く練習をするのは
第一に
体系とシステムを体感させ、納得してもらうためです。
ネットというのはブラックボックスですから、それだけを見て全体は見えません。
紙は全体を見渡し、これがどう作られている道具なのかを認識し、理解することができます。
ネットは、すでに体系を知っている大人には便利な道具として使えますが、まだそれを知らない子どもはキーワードを入れて反応しなければ、そこで止まってしまいます。
まずは紙を使って、仕組みを体感してもらわなければ、ネット情報を自由に使いこなすことは難しいのです。
第二に
これからは、ほとんどのレポートをパソコンで書くようになるだろうとは思います。でも、だからといって鉛筆やペンで文字が書けなくてもかまわない、と思いますか?
災害に遭ったときには電気が使えなくなる可能性が高くなります。
災害のときには電子機器は使えなくなる、と思って準備するほうがいいでしょう。
いざというときのためにも、小学生のときには紙の本を使い、鉛筆で文字を書いておいたほうがいい。
人間、見たことも聞いたこともないことは普通はできませんが、一度でも子どものときにやったことのあることは思い出して使えるものだからです。
薪でご飯を炊ける人には電気釜は福音です。でも電気が切れたら使えません。でも一度でも薪で炊いたことがある人はやり理屈がわかり、やりかたも思い出すことができるので、お鍋や缶詰の空き缶でもご飯は炊けます。
第三に、1995年以前の資料はまだネットに全部収集されてはいません。
少し突っ込んで調べたらネットでは追求できないことのほうがまたまだはるかに多いのです。ネットの中に世界のすべてが入っているわけではありません。
将来外国にいったときにも、そこがネット環境が整っているとは限りません。
情報を豊かに使いこなすために、紙情報も使いこなせなくてはなりません。
将来、柔軟な思考ができ、臨機応変に動けるようになるためには、基礎的な知識と仕組みを押さえておく必要があるのです。
断片的なネット情報しか得られない人はあまり使える人にはならないでしょう。
というわけで、特に小学生で基礎を学ばなくてはならない人たちには紙の百科事典の使い方を教わり、使う体験が必要なのです。