お知らせ つぶやき

「躺平」(タンピン)

中国で、2021年の5月中旬くらいから、突如、中国のネット上で「躺平」(タンピン)という言葉が流行り始めたそうです。
タンピンとは「横たわる」「寝そべる」という意味で、転じて、若者たちが「結婚しない、子どもも要らない、家や車も買わない、消費しない、最低限しか働かない、質素な生活を送ること」
を選択するライフスタイルのことをいうんだそうな。

きっかけは4月に、ある若者が「百度貼吧」というコミュニティサイトに「躺平(タンピン)主義は正義だ」という文章を書き込んだことで、それを要約すると
「自分はもう2年も働かないで遊んで暮らしている。誰かとの比較や、先人たちの伝統的な考え方によって自分に圧力はかかってくるが、人間はそうであってはならない。自分は古代ギリシャの哲学者のように、横たわって(タンピン)ただ何もしないで過ごすことにする」

この文章はすぐにネット上でバズり、あっという間に拡散されて流行語となり、最近ではSNSで
「今日、タンピンした?」「僕たちも一緒にタンピンしよう」
などといわれるように
😁

最初に「タンピン」という言葉を使った人は「タンピン大師」と呼ばれ、大勢のネットユーザーや評論家、大手メディアにこの「何もしない」現象を「タンピン学」「タンピン主義」「タンピン族」などと呼び、議論が沸騰しているそうな。

中国の若者は必死になって勉強させられ、いい大学の次はいい会社に入れ、といわれ、次は結婚しろ(しかしそのためには家を買わなければならず、莫大なローンを背負わなければならない)といわれ、次は孫はまだか!といわれ……。
 
るそうで、うん、それってみんな大人たちの幸福のためで、決して本人の幸福のためじゃないよね、と思う……。

その結果
「自分にはこの先の人生が見えない。結婚したら本当に幸せになれるの? マンションを買ったら、必ず成功者になれる?先輩たちを見てきたが、決してそうは思わない」

「私たちはカマ(国家や社会)に刈り取られるニラ(野菜)になりたくない」(ニラは何度刈り取っても生えてくる野菜(取るに足りない存在)という意味で、中国ではよく自虐的に使われるんだって)

にそりゃなりますよね?

でもこれまでは、言えなかったんでしょ。
でもそれを2021年には言えるようになった。
ようやく。

“若者たちのコメントからは、諦めてそうするしかない、というよりも、むしろ積極的に何もしないで過ごす「タンピン主義」を選ぶという「意志」のようなものが感じられる”

そうですが、さて、みなさん。
これをどう思われますか?
😁

中国の大人たちは、いま、まさに世界に打って出ようとして、結構必死になっているところだ、と思いますが、思わぬところで反撃にあいましたねぇ……。
そりゃ怒り狂ってる人もたくさんいるだろうな。

これが日本のニート、とはまるっきり別物なのだということはおわかりでしょう。そうして日本はこの30年間、じっくりとニート文化を育てる時間がありました……。
でも中国にはそんなゆとりはないと思います。
だって世界の変化は目の前だもの。

中国の大人にいたっては、けしからん!と怒るだけで何が起きてるのかも理解できてないのだろう、と思います。

 さてこの騒動がどっちに転がるか、いまのところ多分誰にもわからない……。
弾圧されて終わる可能性もあるよね
でも、本当に思わぬところから火がついたなぁ、と思います。
中国とは予想外……。
ま、でもそれ言えるほど金持ちになった、のでしょうけど。

大人の思惑とは関係なく、もう若者はネットで国境を超えて世界中とつながってるのだなぁ、というのをひしひしと感じますね〜。