バレエユーチューバーのヤマカイが、
バレエユーチューバーのヤマカイが、来年早々やる「アラジン」の練習風景を動画にしていて、それを見てようやくヤマカイがなにをしたいのかわかっできたような気がする。
つまり、昔、オペラしかなかった時代にミュージカルを作ったように、昔、クラシックな歌舞伎しかなかったときに猿之助がスーパー歌舞伎を作ったように、クラシックバレエしかないバレエに、エンタメバレエを作りたいのね、だ。
今度の公演にはブレイクダンサーも出演するそうで、クラシックバレエにブレイクダンサーなんて、聞いたことがないけど、考えたらやっちゃいけないことなんてないよな、だ。
でもこれは大変な道でっせ。
保守派はもちろん大反対だろうし、猿之助は本当にうまい役者だったからそれができたんだもの。
猿之助がイタリアかどっかに行って向こうの役者と話し合う、みたいなテレビ番組を昔見たことがあって、向こうは、ヨーロッパメソッドで、猿之助は歌舞伎メソッドで、子どもを無くした獅子?を演じてみせたんだけど、もう絶句するほど上手かった。
いや、スーパー歌舞伎も凄いな、と思って毎回観に行ってたけど、本当に上手かった。確かにこれは歌舞伎の中には収まらないや、だった。
だいぶたって、玉三郎とやった古典の「じいさんばあさん」も観たけど、もうこれは一生忘れない。
超絶上手い二人がお互いに自分をおさえて、相手を立てながら静かに演じる舞台は淡々を通り越して凄味があった。
考えたらこれはどのジャンルにも言えることで、きのう講談社の野間文芸賞の受賞式だったのだが、児童文学は、該当作なしだった。
まぁそうだろうねぇ。
だっていま、面白いのは、なろう系だけだもん。
児童文学にもクラシックバレエみたいなとこがあって、クラシックバレエはまだ、超のつくダンサーが世界中に何人もいるから、それはそれ、で孤高を守っていられるんだけど、児童文学はそうはいかない。
もういいから”薬屋”とか“田舎のおっさん”とか“クレハ”とかに児童文学賞、やれよ、と思った。
時代が変わったら今までと同じやり方では立ち行かなくなるのはいつでも、どのジャンルでも同じだ。
もう、いい加減児童文学も変化しないと児童文学そのものがなくなっちゃうぞ、と帝国ホテル名物、ローストビーフを美味しくご馳走になりながら、悲しく思ったのでした。
あぁ……。