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マレー・ラインスター

マレー・ラインスターという作家がいます。
1896年生まれ、つまり19世紀生まれ、ですね、で、8年しか学校に行っていないそうで、その後のSF作家たちとは違って(アシモフはじめ、たいていのSF作家は科学系の有名大学出が多い)学歴なしで19歳で雑誌に短編を書き始めた、パルプマガジン作家です。
日本で言ったらラノベ作家、といったとこでしょうか。
生まれついてのストーリーテラータイプで、少女小説から児童書までこなし、短編だけでも千は超えるらしいです。
その他に長編も映画の脚本も何でもかんでも書いてます。
日本ではSFしか翻訳されてないけど。

アシモフより、20歳は年上だったので、1975年に亡くなるまで、SF界の最長老として敬愛されてました。
というのも、パラレルワールド、という概念や、宇宙人と初めて人類が出会う(このパターンを、ファーストコンタクトタイプ、といいます。アメリカ人はこれが大好きで、のちにジャンルになったほど本があるのです。「未知との遭遇」もこれに入ります)話を最初に思いついた作家だからです。

つまりいまのSFの基礎の礎を作った一人なんですが、もう忘れられてるよね?

という話をなんでグダグダしているのかというと、こういう作家を紹介したい、とは思うんだけど、できないなぁ、と思うからです。
ラインスターの蒔いた種は大きく育って巨木になってしまい……それを見慣れている我々には、元の種はどうしてもみすぼらしく見えてしまう。
最初にそれを思いついたって功績は、凄いことなのにもかかわらず。
一定レベル以下の話は書かなかった、優秀な職人さん作家でしたが、やっぱりこれは😣B級だよね、という本を、読んでね、とは言いにくい。
功績、はあるのにね。