かん子の連載

_/_/ ガーナのおすすめ本商会 _/_/ 002

(毎月一回の予定です)
ガーナのおすすめ本商会(2)
「あやかし図書委員会」
著者・羊崎ミサキ
PHPジュニアノベル

月に一度おすすめ本を書いている「ガーナ」です。

前回書き忘れましたが、ガーナという名前は「ガーナチョコレート」が好きなのでいろんな場所で「ガーナ」というネームを使っています。ちなみに私は小学4年女子です。好きなことは、学校の図書館に行って司書の先生と話をしたり、本を読んだりすることです。

今月のガーナのおすすめ本は「あやかし図書委員会」という本です。

著者・羊崎ミサキさんが小学校のころに体験した実話です(妄想あり)。本嫌いだったミサキさんが、この体験で本を好きになったそうです。

私は、本を読むことは勉強だと思って嫌だなあと感じている人に伝えたいことがあります。本を読むのは勉強じゃないです。この本を読むと、本を勉強だと思っている人の勘違いがとけると思います。理由は、この本は「あやかし(妖怪)」が出てきて、本嫌いのミサキにいろんな本を紹介する、ありえない不思議な話で、さらに「あやかし」が人間の図書委員の男の子を好きになったりする恋愛物語でもあったり、「あやかし」や人間同士の友達関係の話でもあるからです。

とくに印象的な部分があります。担任の先生に読書感想文を書きなさいと言われて本嫌いの主人公が悩んでいるところに、図書館の司書の先生は「読書感想文って好きじゃない」と言う部分があります。本は人に言われて読むものではない、と司書の先生が言うところです。そこはとても共感しました。

この本に出てくる妖怪や人間はそれぞれキャラ的な個性があって、性格も好きな本のタイプも違い、そこに変なギャップがあります。また、読んでいる人が主人公の「ミサキ」になっているような感覚で物語が進んでいくんです。まるで映像をみているようで、頭の中ですぐにイメージできちゃいます。

わたしがこの本の中で気に入っているところがあります。物語の途中に妖怪キャラがおすすめする「ブックレビュー」のコーナーがあって、本当は現実に存在しない本を紹介しているところです。思わずもし本当にある本だったら読んでみたくなるほどです。その妖怪キャラがいかにも好きそうな妄想の本を紹介していて笑っちゃったり、共感したりします。

本が苦手な人が本を読むのは面倒だと思います。絵じゃなくて文が苦手な人も多いはずです。そんな人に教えたいポイントは、あらすじを最初に読んで、だいたいの内容を知ってから読みはじめるといいと思います。あと、自分に合っていない本もあるから、最初の方を読んでみてこれはよくわからないと思ったら、その本は読むのをやめて違う本を読めばいいと思います。みんなが思っている以上に本の種類はたくさんあるからです。字が苦手なら、「意味がわかると怖い話」と言う本があって、その本は物語の盛り上がる部分とオチが早いから、1話をすぐに読み終わることができます。「54字の物語」も同じタイプだと思います。自分に合う本がきっと見つかると思えるので、この本を読んでみてください。

2019/07/03