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(毎月一回の予定です)
ガーナのおすすめ本商会(21)
「魔女たちは眠りを守る」
児童会長は大変だなと、日々思うガーナです。
今回は、以前に紹介した『魔女たちは眠りを守る』を、あえてもう一度、紹介したいと思います。今でも、私の中の好きな本ランキングでは、1、2位を争っている作品です。ずっと強く心に残り続けているので、以前に書いたレビューを、いまの自分の視点で書き直したいな…と思っていました。前に書いたものより、もっと読んでもらえるようなレビューを書きたい!と、心のガーナが言っているので、もう一度、紹介していきたいと思います。
この作品は、主人公の“七瀬”という赤毛の若い魔女の娘が、ある港町に行くのがきっかけで、そこで起きる出来事や、七瀬のこと、七瀬を取り巻く魔女や人間、時には動物だったり、そんな話がぎゅっと詰まっている作品です。
先日、この作品を久しぶりに読んでみると、意外にも文字が細かく挿し絵も無かったのですが、読みはじめると登場人物の複雑な気持ちや、今にも壊れそうな世界観に引き込まれ、やはりどんどんと読み入ってしまいました。
魔女と他の生物との寿命によるすれ違いや、どうしても一緒にいられないもどかしさが一つひとつの文章に込められていて、思わず涙してしまったり。
私のことで例えるなら、私と私の母のいう「昔」は違って、私の言う昔は3年前くらいですが、母の言う昔は10年前なんです。こういうすれ違いを積み重ねて大きくした感じだと思いました。私と母の違いでは、そんなに大したことはなく「へー、やっぱり年齢によって昔の意味が違うんだ(笑)」と、笑って済ませられるけれど、魔女は何回も何回もそんな気持ちが積もりに積もってしまったから、いつもどこか寂しそうなんじゃないかな?と思いました。
私は幼いころから魔女が好きで、何度も魔女になりたいと思ってきました。なので、最初にこの本を見つけたとき、とっても魅力的に見えた気がします。ですが、この本には魔女の切ない気持ちや、言葉にならないような複雑な気持ち、まだ完璧に自立できてない七瀬の揺れる感情など、たくさんの“思い”が溢れていました。この本をきっかけに、魔女というものをもっと深く知れた気がしますし、とても尊敬しています。魔女たちの気持ちに、本の外側からは寄り添えませんが、夜の闇のように、深い小説にどっぷり浸かりたい! 泣きたい!という人にはとってもおすすめ。なによりガーナのイチ押しなので読んでみてください。ひとつ、注意点があるとすれば、読み終わったあと、眠れなくなるタイプの本なのでお気をつけて!
今回のレビュー本を決めるときに『クララとおひさま』にしようか迷いましたが、同じ本を紹介することを選びました。ある意味、冒険で、言葉も慎重に選んだため、緊張しすぎて短いレビューになりました。
そんなわけでガーナの近況を少し。
公立の中学校にはどうしても行きたくないガーナは、クリスチャンの私立中学校を目指すことにしました(イェーイ、決めたぞ!)。
その学校で、文芸部を設立し雑誌を出すのが夢! 今から想像してムフフとしているのですが、取らぬ狸の皮算用にならぬよう、いまはひたすら受験勉強をがんばります!
夢のアオハルを目指すガーナでした
2021/05/20