かん子の連載

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ガーナのおすすめ本商会(25)
(毎月一回の予定です)

『虹色図書館シリーズ』
著者・櫻井とりお
河出書房新社

受験に受かって大喜びな、ガーナです! 
寒い季節なので暖房の効いた部屋でみかんを食べながら本を読みたいと思います!!

今回は
「虹色図書館のへびおとこ」
「虹色図書館のひなとゆん」
「虹色図書館の怪獣たち」

の虹色図書館シリーズを紹介しようと思います。
 最初のお話、虹色図書館のへびおとこに出会ったのは今から何年も前でした。特徴的な質感の表紙と色とりどりの絵に心を押されて買った本です。
正直、そのときは内容はよく分かりませんでした。
私は、外食した時本屋に寄って買うことがよくあり、この本を買った時もそうでした。
でも、家に帰ってページをめくると、気づいた時には夜中の1時になっていたのです。このシリーズ全部の特徴なのですが、情報がわーーっときていろんな感情が溢れて、それから最後、ひょいっと予想外なものを置いていくので、読み終わってすぐ寝るとかできません。
私の場合はめっちゃ喋りたくなるので、それから寝るまで、気持ちを消すためにもう一冊読みました。
そんな、虹色図書館シリーズ……。
その時からずっと紹介したいと思っていたのに重い腰が上がらず……。
でも新作の」虹色図書館の怪獣たち」を読んでやっぱ紹介しよう!と思ったので頑張っていい所を伝えていこうと思います。

あらすじは、悩みや迷いを抱えた人が本や図書館に通ってきて、できた人々との繋がりなどで自分が変わっていく、そんな話です。
左側が半分緑で鱗のようになっている犬神さんが重要な人物で、いっつもつまらなそうな顔をしていますが悩んでいる人に児童書を通して元気づける優しい人です。
“へびおとこ”と“怪獣たち”の話は、繋がっていますが“ひなとゆん”はそれとはまたちょっと違う感じなので、どの巻から読んでもいいと思います。
今回は“ひなとゆん”は置いておいて、繋がっている他の二作を紹介します。
虹色図書館のへびおとこでは、いじめがきっかけで学校にいけなくなった主人公ほのかが、この図書館に出会い、そこで沢山の本や人物たちに背中を押され、居場所を見つけて変わっていく、そんなお話です。三作目のその話と対比になる虹色図書館のかいじゅうたちで、ほのかをいじめていたかおりの小さい時からの本との関係とか、犬神さんの本当は感じていた気持ち、過去とかが分かります。
最初は時系列がわけわかんないので
「どうゆうこと?」
となりますが、最後全てが分かった時にはへびおとこで、はってあった伏線が全部わっときて、思わずため息をついてしまいます。他にも、どの話も現実に存在する児童書がたくさん出てきます。
「チョコレート戦争」など、私は結構懐かしい気持ちになりました。
どっちの話も、すごく感動する話で、一作目の最後の方で、ほのかと仲良くなる少年、ドリトル先生のシリーズにでてくる助手のトミー・スタビンズくんがあだ名の富田が「ドリトル先生のシリーズは長いから読み終われないと思ったけどこれで読みおわったわ。なんでも終わりがあるってことだよ。」っていうのが一番心に響きました。三作とも全部そうですが、始まりがあって盛り上がりがあって、そして終わりがある。人生も面白いシリーズの本もそうなんだなっていうのが伝わるそんな本でした。紹介するのが難しく、いつもより上手く書けませんでしたが、読んでみなきゃ分からない良さがすごくあるので、みなさん、是非読んでみてください。

自分が好きな本ほどレビューが下手になるガーナでした。

2022/03/03