かん子の連載

【赤木かん子還暦おめでとう企画】 37 仕事に役立っています

仕事に役立っています   by 日高町立門別図書館郷土資料館 只石 美由紀

赤木かん子さんとは研修会や図書館改装で何度かお会いしたことがあるのですが、その時にかん子さんと何をお話ししたのかさっぱり思い出せません。
というのも、かん子さんの本を読んでいると、かん子さんにお会いしているような感じがするので、本で読んだことなのか、実際にお話しを伺ったのかがはっきりとしないのです。
そんな曖昧な記憶ですが、かん子さんとの出会いによって、自分の意識が変わったことや仕事で役に立っていることなどを書きたいと思います。
図書館の改装で感じたことなのですが、本の分類やそれをどこに配置するかを決めるのはその図書館の司書の仕事だということです。
そんなこと当たり前だろうと思われるかもしれませんが、分類番号は本が納品される時に既に図書館流通センターで既に付けられていて、図書館内での配置も決められた所に置けば取りあえず貸し出すことはできますので、それを現状から大きく変えるという発想自体がありませんでした。
児童書の9分類をホラーやミステリー等、文学のジャンルで分けているのを見て、お客様からよく聞かれるものは分けて置くと図書館を使う人にとって便利なのだ、これが別置というものかと実感しました。
そして、別置は必要に応じて増やしたり減らしたり、その判断をするのは司書の仕事なのだということも。
この方法を一般書にも応用して、9分類から時代小説を抜き出して時代小説コーナーを作り、その向かいには大活字本と朗読CDを配置して、中高年層に大変人気のコーナーとなっています。このようなアイデアは、かん子さんに出会ったからこそ出てきたものです。
それから、かん子さんの本の中で私が一番お世話になっているのが、ポプラ社から出版されている『調べ学習の基礎の基礎』です。
この本をテキストに、新規採用の臨時職員さんにレファレンスの研修を行っています。
百科事典の引き方でつめと柱を使うことなど、自分自身は無意識のうちにやっていることが順を追って解説されていて、他人に説明するのが下手な私でも、この本さえあればなんとか調べ方の基礎を教えることができます。
この本が出版された時は「ありがとう、かん子さん!」と叫びそうになりました。
これからも仕事に役立つ本の出版を楽しみにしています。出たら必ず買います!