【赤木かん子還暦おめでとう企画】 68 「幸福の処方箋」
「幸福の処方箋」 by 宮田香子
かん子ちゃんとの出会いから30年近くなるのだと思う。当時子どもの本好きなメンバーが集まって学校や幼稚園へおはなし会の出前を始めた頃、講演に来てもらった。
「子どもに自分の好きな本を読んでやるのはダメ」
「自己満足のために読みきかせをしているボランティアはさっさとやめてほしい。抱っこボランティアのほうがよっぽど必要だ。」
などなど、容赦ない辛口のかんこ節に読みきかせおばさんたちは少なからずショックを受けたものだ。
それはとりもなおさず本質をついていたから。
私自身、目の前にいる子どもたちよりも自分のために読んでいたことを猛省するとともにすっかりかん子ファンになり、たびたび呼んで話を聞くようになった。分類講座、ボイストレーニング、学校図書館改造、調べ学習講座など次第に発展していく彼女の根っこは常に「子どもたちの幸せ」を願う一心に支えられている。子どもたちが情報の海をしっかり泳ぎ渡り、自らの幸せを手に入れてほしい、そのために大人としてできることは何か、かん子の道はまだまだ続く……。