かん子の連載

水曜日の歌 ♬~ 第二十七回

“遂に、新しき詩歌(しいか)の時は来たりぬ。
そはうつくしき曙のごとくなりき。
あるものは古(いにしえ)の予言者のごとく叫び、
あるものは西の詩人のごとくに呼ばわり、
いずれも明光と新声と空想とに酔えるがごとくなりき。
うらわかき想像は長き眠りより覚めて、
民族の言葉を飾れり。”

島崎藤村の「藤村詩集」の序文です。
1897年(明治30年)にデビュー……。
まだ七五調、五七調ですが、日本近代詩はここから(と断言していいのかわかないが、ここらへん)から始まったのです。

2017/12/13