かん子の連載

☆楽しい学校図書館のすぐに役立つ小話☆彡【ブックフェアについて・その3】 

テーマ展示の2つ目の目的は、品揃えを良くする、ことです。
たとえば秋の木の葉の展示をしようとして本を探すとしますね。
それでようやく、うちには、紅葉の本がない!
ことに気がつく、というわけです。
ですから、テーマ展示は、このジャンルを強化したい、というときに使うのです。
学校図書館が必ずやるテーマ展示は、季節のテーブル、ですが、これを5月、まだお金があるときに、一年間分考え、3冊から5冊ほど選びます。
そうしてそれが棚にあるかないか調べ、なければ発注するわけです。

一番初めの学校を作ったときに、クリスマス展示をしようと思ったら「ぐりとぐらのクリスマス」と「サンタの楽しいクリスマス」しかなかった、ことがわかり調べたところ、クリスマスだけでなく、月、紅葉、雪、正月、氷、鬼は外、の本がほぼ皆無なことがわかり、愕然としました。
本を買うのは5月のため、春夏の本はたくさんあったのに、秋冬ものがなかったのです。
でも日本て、9月にならないと紅葉の本が書店に出ないのよ。
なのでその年は毎月必要な本を書き出し、次の年の5月にまとめて注文しました。

というように、テーマ展示は、自分の図書館の棚チェックと、棚の整備のために使うテクニック、なのです。

そうして公共図書館では、それをほぼ4ヶ月かけて準備します。
たとえば、アルコール依存の棚がボロボロだなぁ、と思い、そこを整備しようと考えたとします。
その司書は、まず、アルコール依存について勉強しなければなりません(勉強する、ということはひたすら本を読み、ネットを調べ、情報を集めて考える、ということです)。
そうしたら次は自分のところのレベル、予算などを考え、必要な本のリストを作り、発注します。
本が来るのに二ヶ月はかかりますから、最低4ヶ月前から準備することが必要になります。
そうして、年にそういくつもはできません。就業時間以外の時間に勉強するのですから。
そうするとアルコール依存の棚は生き生きとよみがえり、あと何年かはここを考えなくてもいいね、になります。

テーマ展示は、そのために、やるものなのです。

2022/10/20 更新