☆楽しい学校図書館のすぐに役立つ小話☆彡【宇宙写真と望遠鏡】
アメリカは1990年にハッブル天体望遠鏡を宇宙空間に設置しました。
なぜなら、天文学者は、またたかない星の光を見たかったからです。
星がまたたくのは地球の周りに大気があるせいで、空気が揺らぐと光はまたたいてしまいます。
なので、それまではできるだけ空気の薄いとこ(となると高い山の上になるね)に望遠鏡を設置していたわけですが、それでもやっぱりまたたいてしまう。
またたかないとこはどこ?
宇宙だよね
というわけで、大胆にも宇宙空間に望遠鏡を設置したのです。
ハッブルが写真を送ってきた瞬間に、それまでの宇宙写真は潰れました。
ハッブルが撮った宇宙はそれはそれは美しかったからです。
natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/gallery/111600040/?ST=m_photo
データも一変しました。
より遠くまで、よりたくさん見えるようになったからです。
ハッブルはおおかたの予想に反して、数々の修理を経て、30年以上働き続けました。
が、Nasaは2021年のクリスマスにハッブルの後継機となる望遠鏡を設置しました。それが、開発に20年かかったジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡です。
これはハッブルより遠くを観ることができ、たった1年で山のような成果をあげました。
たとえばいまのところ宇宙の年齢は138億年ですが、今現在134億年向こうの星を確認することに成功しています(もちろんこれはこの先書き換えられるだろうと思います)。
この望遠鏡の成果が本になれば、いまでの宇宙の本のかなりの部分を書き換えるか、買い替えなければならなくなるでしょう。
アメリカはさらに、2025年には、ナンシー・グレース・ローマン望遠鏡を設置する予定です。
ナンシー・グレース・ローマンは、Nasaで初めて管理職になった女性天文学者で、1950年代からハッブル望遠鏡の必要性を説き、企画を通した研究者で、ハッブル望遠鏡の母、と呼ばれているひとです。
いま、望遠鏡はそれぞれの目的に合わせ、一台一台違うやり方で作られ、新しいものができるたびに観測データは書き換えられています。
こういう話を日本のニュース番組や新聞は、ほとんど取り上げないし解説してくれないので、自力で情報は取りにいかねばなりません。
ジェームズ・ウェッブの成果は毎号、雑誌ニュートンに載っています。
常にアンテナをたて、新しい情報に敏感になってください。
2023/11/02 更新