☆楽しい学校図書館のすぐに役立つ小話☆彡【SFの時代・その3】
ここであがる名前は二つ。
ロバート・キャンベルとアイザック・アシモフです。
キャンベルは今のSFの基礎を作った雑誌編集者で、荒唐無稽を徹底的に排除し、科学的なSFを定着させました(作家としては、超有名なSF映画「惑星からの物体X」の著者です)。
1939年がアメリカのSF元年とされてますが、その年にアシモフが18歳でデビューし、同時にハインラインやヴァン・ヴォークトやスタージョンのようなトップの作家が同時にデビューしたからです。
そういうのが重なるときってあるよね。
時代、というか。
アシモフは15歳でコロンビア大学に入り、18歳で卒業した天才で、いまでも書いたSF作品すべてが古くならずに読めるという稀有な書き手です。
代表作は「銀河帝国(ファウンデーション)」シリーズと「ロボット」シリーズですが、その基礎になる考えとして、キャンベルと二人でロボット三原則、を考え出し、いまのSFはその土台の上に立っているのです。
アシモフのロボットの三原則
第一原則「ロボットは人間に危害を加えてはならない」
第二原則「第一原則に反しない限り、人間の命令に従わなくてはならない」
第三原則「第一、第二原則に反しない限り、自身を守らなければならない」
という原則からなり、第一原則が最も優先される。
日本人にはロボットは友だちであり、人間が作ったものは必ず人間に歯向かうようになる、というフランケンシュタインコンプレックスはないので、こんなのは思いつかなかったと思いますが、これを忠実に受け継いだのが、手塚治虫であり、鉄腕アトムなのです。
不思議なことにSFの世界でだけ!
他人のアイデアを堂々と自分の作品で使うのですが、ほかのジャンルでこれをやったら、盗んだ、と言われるのに、SFの人たちは、それをリスペクト、といい、真似されると喜ぶのです。
ですから「火の鳥」のなかには、アシモフそのままのものがいくつもあります。
「マトリックス」も、そのまま「攻殻機動隊」です。まったく同じシーンをわざと作り、大好き!
といってるわけですね。
アメリカではストーリーマンガは発達しませんでした。
その代わりになったのは映画で、そうなると日本のクリエーターたちも見ることができますから、相乗効果はどんどん広がります。
紙のコミックは外国ではなかなか読めませんが、アニメーションになると、世界中が観ることができるようになります。
かくして「宇宙戦艦ヤマト」と「スター・ウォーズ」は微妙にアイデアが混じり合い、影響しあい、世界中がジャパンアニメにどっぷり浸かることになり、外国の若い人たちが日本の文化を追って来日することになったのです。
2023/12/14 更新