かん子の連載

☆楽しい学校図書館のすぐに役立つ小話☆彡【SFの時代・その8】

その頃のもう一人の立役者は、アーシュラ・ル・グインです。
児童文学の世界では「ゲド戦記」の作者として名高い彼女ですが、もともとアメリカのトップグループのSF作家です。
ゲド、が翻訳されたときに、ル・グインのファンが図書館に来て、検索して、なんで児童室にあるの?と驚愕して帰られたことがあり、ようやく、あ、そっか、ときがつきました。
私はどっちも読みますが、児童文学ファンのかたで、グインのSFまで読んでいる人はそういないでしょう。
グインは、正直、難解ですから。
代表作は「闇の左手」でしょうが、正直、SFに慣れていないかたにはお勧めできない作品です。
3分の2、ほどが凍てつく氷原を彷徨う話で、読みにくい。
😁

日本の漫画家やアニメーターはアメリカの小説も映画も見ることができ、それをもとに、ここをこうしたら、というその上を行く作品を描こうとします。
アニメーションは比較的簡単に見ることができるので、ナウシカ、も攻殻機動隊、もアメリカの人たちは見ることができ、映画やアニメではお互いの作品をオマージュ、していましたが、アメリカの作家が日本の漫画を読むのは難しい。それも少女漫画は……。

なぜなら当時日本でSFを描いているトップは萩尾望都と佐藤史生、という女性漫画家二人、だったからです。
この二人はアメリカのSFを読んで、その上をいく作品を描いていました。
なので、特に萩尾望都が新作を描くときには、私たちは予習しとこう、といってル・グインのSFを再読したものです。
でないと歯がたたなかったので……。
「マージナル」
メチャ難しい。
でも、ル・グィンが萩尾望都のSFマンガを読むことは難しかったでしょう。
佐藤史生のSFなんて、もう40年も前になってしまいますが、そうしてそのためにスマホが出てこないのが一瞬奇妙に見えてしまうのですが、いまだにトップクラスです。
「鬼追うもの」や「心臓のない巨人」「バビロンまで何マイル」など、唸るしかない凄さなのですが。
萩尾望都はともかく、佐藤史生はほぼ無名に近い作家ですが、私は日本のSFのトップ3だと思ってます。
小学館はついに佐藤史生は全集を出してくれませんでした。
熱烈なファンがいる一方で、難解すぎて一般受けはしないですから。
いまは復刻がそこそこ手に入ると思います
いまなら、アメリカに翻訳して逆輸入したら読まれるんじゃないかと思うんだけどなぁ。

2024/02/22 更新