☆楽しい学校図書館のすぐに役立つ小話☆彡【SFの時代・終わり】
2000年前後、のSFは、アメリカはハリウッドの冒険活劇SF&ディックに、日本はコミックとロボットアニメーションに集約されてしまいました。ウルトラマンも仮面ライダーもロボットものも宇宙戦艦ヤマトもSFなのですが、誰もそう思ってくれませんね。
😅
活字のいいSFがまったくないわけではないのですが(いくつかの短編はポプラのSFセレクションに入れましたので、興味のある方は図書館で借りて読んでみてください)大きな流れにはなれず、活字のSFは消滅しかけていました。
小学校図書館では星新一のショートショートくらいしか並べる本がなく、コミックをいれられればそれは名作が膨大にありますが、それも現役小学生用にはなりません。
というわけで、SFの棚はもうだめかぁ、と思っていたところへ、彗星のように二人の書き手が登場したのです。
それもふたりとも中国人!
一人は2008年に「三体」を発表した、中国在住のリウ・ツーシン。
「三体」はハードな政治形態をもつ三体人(宇宙人です)の政治方式を地球に持ち込もうとする、重厚な一種の政治ハードボイルドSFで、今までに世界中で3000万部売れている大ヒット作品です。
日本でも2019年に翻訳されて、かなり売れたと思います。
もう一人はそれと正反対の、きめ細やかな叙情的なロマンティック、と言ってもいい作品を書く、アメリカ在住のケン・リュウです。
日本では早川から出された「母の記憶に」という短編集が結構売れたはずです。
それと2017年にイギリスのカズオ・イシグロがノーベル賞を受賞し、一躍ブームになったので、奇しくもスマホ以降、2008年以降は三人のアジア人作家がSFを牽引している、ということになり、あら、びっくり。
こんな状況になるなんて、誰も予想しなかったよね。
ちなみに「三体」の英語訳はケン・リュウがやっていて、原作よりわかりやすいという評判です(日本語版を訳した大森望がそう言ってたよ〜な気がする)。
コロナの前は、アベンジャーズを使い尽くしてしまったアメリカが、アシモフの「銀河帝国(ファウンデーション)」シリーズを映画化している、という噂が流れてきましたが、その後どうなったか……。
CG技術もバーチャルリアリティもこの5年ほどで物凄くレベルが上がり、それを一番活かせるのはSF映画なので、この先ヒット作はでそうなのですが、まだその技術を使いこなせてないのかもしれません。
原子力潜水艦ノーチラス号は現実のものとなり、ロケットも火星に行き、太陽系の惑星の見事な写真も撮れ「攻殻機動隊」はアトラスのお陰で現実になりかけています。
SFが空想ではなく現実になっていくいまはSFは書きにくい時代なのかもしれません。
とりあえず、アシモフを待つわ〜。
2024/03/14 更新