かん子の連載

☆楽しい学校図書館のすぐに役立つ小話☆彡【司書は椅子に座ってピッとやるだけの人じゃありません。学校司書は忙しいんです。・1−2】

学校司書の桜李桃梨(おうりとうり)さんからの寄稿をご紹介していきます。
小話とは言えない😅、学校司書さんの忙しい日々をぜひご覧くださいませ~

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 

「司書は椅子に座ってピッとやるだけの人じゃありません。学校司書は忙しいんです。」
桜李桃梨

1-2 書庫

三日目に無事司書教諭の先生と会うことができ、怒られるかとちょっとビクビクしていたのですが、
空っぽになった窓上書架を見て
「あら~、明るくなったわね。これはいいわ。もうホントに暗くてどうしようかと思ってたのよ」
とおっしゃってくださいましたので、ホッ。
「この書架はもう外しちゃっていいですか?」
と聞いたところ
「あなた、はずせるの?いいわよ、いいわ。外しちゃって!」
とのことで、やったー!
そうして恐る恐る、箱詰めにした本は?と聞いたところ、この図書館第2のショックが私を襲いました。
先生がこっちにきて、と図書館の反対側にあった小部屋のドアをあけてくれたのですが……。
パチッと電気がついたら
 
ひ~~~え~~~!
 
三畳ほどの広さの部屋なんですが、そこに本棚がぎっしり、そのなかにこれまた埃だらけの本がぎっしり……。
「こっちの本から片付けなきゃならないのよ」
「そ、そのようですね……」
 
もう何年も何年も前からの新聞がぎっしり、背中の取れたような国語の辞書が何十冊も、床の上にも所狭しと積み上がった本の上に埃がうず高く積もり、思わず息を呑む、とはこのことだ、という有様……。
先生はにっこり笑うと
「バーコードが貼ってないものはそのまま捨ててかまいませんよ。貼ってあるものはパソコンで廃棄処理をしてから紐で10冊ずつ縛って紙ゴミ置き場に置いてちょうだい」
「バーコードが貼ってないものは何を捨てたかの記録はいらないけど、何冊捨てたかは記録しといてくださいね」
とおっしゃってくださり、パソコンの立ち上げ方を見せてくれたあと、ゆうゆうと立ち去って行かれました。
 
か、カッコいい!
 
うわぁ、この学校、いいわ~!
図書館も書庫もひどいけど、校長先生も司書教諭の先生もめちゃ頭切れる!
それに片付ければ書庫がある!
 
たいていの小学校には図書館はあっても、書庫まではないことが多いんですけど、書庫ないと困るんですよね~。
昔話の絵本を読もう、の時期には日本昔話が120冊いるんだけど(この学校は各学年3クラスあるので)たいていの学校図書館はそれをいつも並べて置けるほど広くないんです。
国語の辞書と漢字辞典と英語の辞書を40冊ずつ並べておくスペースも。
書庫あるの、ラッキー!
 
書庫の本を眺めていくと……。
ざっとみたところ、バーコードの貼ってないものが多い気がする。
少なくとも、この古新聞と古い辞書はいらないわね、ということで、カウンターの内側からハサミと紐を見つけ出すと、私は仕事にかかった。
10冊ずつ数え、紐で縛り、台車の上に乗せる……。
この学校はありがたいことにエレベーターまであるので四階からゴミ捨て場まで何十往復もしなくてすむ……。
まあ、正直もうその体力はないから、もしエレベーターなしだったら、学校始まってから子どもたちに頼むしかないなぁ、と思っていたのです。
でも、台車に乗せても何往復したかわかりません。
 
一時間も働くと書庫は三分の一くらいは片づきましたが、ふ~~、こんな狭いところによくこんだけ入ってたなぁと思う……。
まあとにかく残す本も全部いったん外にだして天井からまる拭きじゃ!
 
書架も全部メラミンスポンジで磨いて、結局、書庫が機能するようになったのは2日後でした~ 。
 
あぁ、疲れた。
 
2024/04/11 更新