かん子の連載

☆楽しい学校図書館のすぐに役立つ小話☆彡【「司書は椅子に座ってピッとやるだけの人じゃありません。学校司書は忙しいんです。・1-6】

学校司書の桜李桃梨(おうりとうり)さんからの寄稿をご紹介しています。
小話とは言えない😅、学校司書さんの忙しい日々をぜひご覧くださいませ~

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 

「司書は椅子に座ってピッとやるだけの人じゃありません。学校司書は忙しいんです。」
桜李桃梨

1ー6 登録&先生方へお披露目 9日(火)

次の日の午前はまたざっと掃除をし、残った時間で子どもたちの登録をしました。
いまはパソコンですぐ出てこない文字の名前の子が多くて、それなりに最初の登録は時間がかかるのです。名前の漢字だけは他の文字と変えるわけにはいかないので、結構格闘する羽目になります。

お昼ごはんを食べていると、司書教諭の先生が
「ちょっといいかしら?午後から先生がたにきれいになった図書館を見てもらってもかまわない?」
と言いにきてくださって、午後、たくさんの先生がたをお連れくださいました。

校長先生や副校長先生をはじめ、一瞬しかご挨拶してないかたが大部分なので正確にはわからないのですがほぼ、全員、いらっしゃったのではなかったでしょうか。
みなさん、驚いた顔で入ってこられ、口々に
「すご〜い!」
「変わってる!」
「きれい〜!」
「明るい!」
と声をあげ、気持ちよく私の大掃除を受け入れてくださったのです。
前の学校には一人、税金で買った大事な本なのだから一冊なりとも捨ててはならん、という先生がいらっしゃって、とても大変でした。
廃棄予定の本を書庫の本棚にきれいに並べ、捨てておりませんアピールをせざるをえなかったのです……。
まぁ、子どもたちが見る書架からなくなれば、とりあえずはそれでもいいのですが……。

ふと気がつくと先生がたはみなさん、椅子に腰掛け、ソファに座り、あちこちで本を手にとっていらっしゃいました。
まだ書架の中身は直してないので冷や汗ものでしたけど、それでも前よりは面白そうな本が目に入るようになったのだと思います。
この学校は今まで働いた学校図書館のなかではダントツ予算が多く、全然掃除はしなかった前の司書のかたも、本には目が効いたらしく、おぉ、と思う本がかなりあったのです。
ただ、あれだけ暗くてゴタゴタしていて古い本も多かったら、見つけるのは難しかったろうと思いますが。
みなさんしばらくいらっしゃって、何人もが
「子ども達に見せるのが楽しみですよ〜」
といわれ、帰られました。よかった……。

そのあとは後回しになっていたカウンターのなかを、徹底的に整理整頓しました。
図書館は紙が多いので、絶えず片づけていないといつの間にか散らかってしまうのです。
カウンターの外にでて、きちんと見えるかどうか確認……。
やっぱりカウンターのなか、壁のところに書架が一本欲しい。
まあでもそれはまたのことにして、いまのところはこれでオーケー。
置ききれないものを書庫にまとめて突っ込み、カウンターは終了。
あとは廊下を徹底的に掃除しました。
天井をモップではらい、窓ガラスを磨き、壁を拭き、すのこを上げて廊下を掃除し、上履き入れもメラミンスポンジで磨き上げ、あぁ、すのこも磨きました。
廊下のここからここまでは図書館の領分、と決めた部分を磨き上げると、廊下の反対の端から見ても、図書館だけ光っているのがわかります。
廊下には大きな掲示板が2枚あるので、まず縁をきれいに拭き、掲示板も拭きました。
最後の仕上げにホントはガンタッカーでカッコいい模様の布を貼ればいいのですが、あいにくいまはもう手持ちの布がない。
学校に買ってもらえるかどうかわかりませんが、とりあえずここは、いまのところは埃がなくなればよしとしよう。
ガンタッカーは大きなホッチキスのようなもので、本来は椅子に布を貼る道具です。
掲示板や木のように針が打てるものには簡単に布やポスターを止めることができ、外すときは画鋲を取る道具で簡単に取れるので、学校司書の7種の神器の一つと言えましょう(と勝手に決める😁)。
さあ、これで子どもたちを迎えることができます。
カーテンを閉め、明かりを消し、鍵を閉めると心地よく疲れてうちへ帰りました。

2024/06/20 更新