☆楽しい学校図書館のすぐに役立つ小話☆彡【司書は椅子に座ってピッとやるだけの人じゃありません。学校司書は忙しいんです。・2-2 】
学校司書の桜李桃梨(おうりとうり)さんからの寄稿をご紹介していきます。
小話とは言えない😅、学校司書さんの忙しい日々をぜひご覧くださいませ~
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「司書は椅子に座ってピッとやるだけの人じゃありません。学校司書は忙しいんです。」
桜李桃梨
2-2 本格的に始まりました
さて、いよいよ本格的に授業が始まり、図書館もエンジンかかってきました。
休み時間に来てくれる子ども達がどんどん増えてきたので、休み時間が終わる度に書架を整えなければなりません。
間違って入っている本がないか、破けたり汚れたりしている本がないかをチェックし、棚の縁に本を揃え、ブックエンドできっちり止め、表紙を見せて置いた(面だし、といいます)本はたいてい借りられてなくなっているので、棚から新しい本を出して表紙を見せて飾ります。
手間ですが縁まで本を出すのは、上の棚の影になるので、本が奥に入っていると暗くなるからです。
それを前に引っ張り出すだけで、パッと明るくなるのは、いつみても
不思議だと思ってしまいます。
今は休み時間の開館だけなので、それが終われば授業のバックアップの準備をします。
本格的に貸し出しが始まり、授業で図書館が使われだすとそういうことをするひまがなくなるからです。
図書館内をパタパタ整備していると
「いまお話してもいいですか?」
と、司書教諭の先生と一緒に図書館内覧会にきてくださった先生が入り口から顔を覗かせました。
いいですよ、なにか?
とお聞きすると
「教科書のこの単元に掲載されている本はありますか?子ども達に読ませたいのですが……」
とのこと。
はいはい、書庫に揃えてありますとも……。
先生に、教科書のコピーを頂き、書庫の教科書掲載の本が置いてある棚をチェックして抜いて先生用のカードで貸し出し手続きをし、お渡しすると
「こんなにすぐに用意して下さるんですね!」
と、たいそう感激されました。
書庫にお連れしたときには、なぜ書庫に?みたいな怪訝な顔をされたのですが、書庫に一年生から六年生までの教科書に載っている本がずらっと並んでいるのを見て、驚いていらっしゃいました。
急いで書庫を整えといて、よかった!
授業の準備もどんどん進めていかなくてはなりません。
一緒にいらした司書教諭の先生に、図書の授業の手順を確認……。
もうこの先生とは、何でもご相談できるようになりましたので、本当にありがたいです。
時間割を見せていただくと、すでに各クラス「図書の時間」が設定されていました。
新入生以外の子どもたちはもう図書館に慣れていて、本の返却、貸出をした後は席に座って静かに読書するとのこと。
また、読み聞かせは前の担当者はしていなかったのだが、できれば今年からはしてほしいというので、了解しました。
また司書教諭の先生から各学年の先生に声を掛けていただいて、今月の学年便りを頂きました。
仕事はやっ!
これがあると、今月どの学年がどんな学習をするのか掴めるので助かるのです。
各学年、今月、授業で使われそうな本もチェックし、読み聞かせ用の本も用意……。
なにせ初めて会う人たちが多いので(すでに図書館で本を借りてくれた人には会っていますが)何が当たるかわからないので数冊ずつ書庫に用意しました。
子どもたちの給食の時間に大急ぎで私もお弁当を食べ、片づけたとたんに子どもたちがやってきました。
すっ飛んできた当番の図書委員がカウンターに入って返却と貸出はやってくれるので、私はリクエストとレファレンスにまわり、怒涛の30分が過ぎるとみんなヘトヘト。
図書委員はまたすっ飛んで教室にもどり、私は荒れた棚をもう一度ざっとセッティング。
ちゃんとしたのは明日の朝やるので、いまは特に荒れた棚だけ、お客様がいらしてもいい程度に。
午後は、今年買う本リストの作成に当てました。
予算が降りたら即、注文を出さねば二ヶ月かかってしまいます。
どの学校も同じ時期に注文するわけですから、本屋さんも大変……、少しでも早く注文できればお互い助かるというものです。
今年の新刊のなかでチェックしておいた、必ず買う本をまずいれ、次に子どもたちのリクエストで去年買いそこねていたものや、シリーズものの新刊をいれ、授業のカリキュラムと照らし合わせて各棚、足りないところに本を足していきます。
買うぶんだけでは足りないので、公共図書館に予約のメールもいれなくては……。
この市では週二回、各図書館と学校を本の巡廻車が回ってきてくれます。
巡廻車を出すお金がない、といっていたら、なんと市長さんが、その日に用事ができてしまったらなんとかするから、と、ご自分の運転手さんをまわしてくださったそうで、予約すれば前日までには本が借りられ、使ったらすぐ返すことができるようになったのです。
箱の中で固定されていない本をたくさん乗せた車は素人には運転が難しいそうですが、そのかたは素人目でみてもとても運転がお上手で、玄関前にピタリ、とつけられ、一度も切り返さずにすっとでていかれるのはいつ見てもカッコよくて
プロだなぁ、と思います。
それまでは自分のカードで借りて、自分で取りに行っていたので10冊しか借りられない上に土日のどこかが潰れるので、ものすごく大変でした。
学校単位だと40冊借りられるし、巡廻車は本当にありがたいと思います。
というわけでその日もくたくたですが、満足してうちへ帰りました。
2024/07/25 更新