☆楽しい学校図書館のすぐに役立つ小話☆彡【司書は椅子に座ってピッとやるだけの人じゃありません。学校司書は忙しいんです。・2-5】
学校司書の桜李桃梨(おうりとうり)さんからの寄稿をご紹介していきます。
小話とは言えない😅、学校司書さんの忙しい日々をぜひご覧くださいませ~
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
2-5 リクエスト①
二週目の図書の時間には「リクエスト」について説明することにしました。
(図書の時間では、最初のオリエンテーションのときは別にして、何もなければ、はじめの10分を図書館情報学に当て、残りの時間を読書と貸出にあてることにしています。そうすると毎週一つは図書館情報学の話ができるわけで、これだけ時間を貰えれば、調べるやりかた、のような必要なことを伝えるには充分です。6年間、あるわけですから。5、6年はそこまで時間がないので、月に4回あるうち1回は、まるまる図書の時間は図書館学の授業にしようといま考えているところです。高学年は読書より役に立つ知識のほうを喜んでくれるので、授業が面白ければ、そうしても苦情は来ません。特にこの学校なら大丈夫でしょう。
まだ先生方にご相談していませんが。)
先週司書教諭の先生とリクエスト制度の話をすると「それはいいですね、やってください」
になり、始めることにしました。
この学校では今まで行われていなかったそうなんですが、これがないと、600人以上いる小学校では、読みたい本がなかなか読めません。
先生方にも月曜日の朝会で説明させていただきました。なんの問題もなく、ふむふむ、で終わりました(笑)。
リクエスト用のカードを用意して
読みたい本の書名、
学年、クラス
名前
を書いてもらい、カウンターに置いてある専用のボックスにいれてもらいます。
リクエスト制度について説明すると、歓声が上がりました。
「あの本借りたかったのに全然見つけられなかったもん!」
「やったー!じゃ、あの本が借りられるねっ!」
と……。
そりゃ、600人の学校ですから、人気の本は争奪戦です。
リクエストの多い本は、複数購入します、というと、またまた歓声が。(笑)
毎回、図書館情報学の話をしないときは、一冊読み聞かせをするのですが、読み聞かせと本の返却が終わったら(といってもパソコンで返却チェックをするのはそのクラスの図書委員さんで、本を返すのも委員さんか私なので、子どもたちは本をカウンターに置くだけですが)リクエストのある人にはリクエストカードに記入してもらいます。
一週間たち、すべてのクラスにリクエストの説明を終えると、リクエスト件数は右肩上がりに上がってきました。
友だちがリクエストで依頼した本を借りたことがわかると、そのクラスからのリクエストが急増するので、このクラスにはリクエスト制度が定着したな、というのがわかります。
この学校は、各学年3クラスで18クラス。
午前中は月曜日から金曜日までぎっしり図書の時間が入ります。
レクチャーをしないときは読み聞かせをして、みなさんに本を返却してもらい(チェックはそのクラスの図書委員さん)その時間に読む本、借りる本、を探しに行ってもらいます。図書委員さんも借りないといけないので、その時点で私が交代してカウンターに入ります。
(図書委員さんがいない学年は、もちろん私が作業します。)
カウンターで、貸し出し、相談、リクエストを受付け、それが一段落してみんなが読む本が決まって読み出して静かになるとリクエストをシステム入力します。その時間にシステム入力するとリクエストカードに何かあったときに本人に確認できるので便利なのです。
同じ本を何度もリクエストカードに書く人もいて
「もうリクエストしてあるよ」
と伝えて、ほかの本に変えてもらったり……。
シリーズの巻数が書いてないときも、うっかり自分の名前を書き忘れている人もいますし……。
リクエストの本が用意できたら、放課後手紙を書きます。
翌日配達するのは図書委員の仕事になりました。
クラスに関係なく、当番の図書委員が配達に行くのです。
仕事が一つ増えたわけですが、みんな喜んでやってくれ、これは図書委員が好きな仕事の一つになりました。
いつも行かない学年やクラスに行くのが新鮮なのと、本が用意できたお知らせを持っていくと、みんな、パッと顔を輝かせて喜んでくれるので、やりがいがあるのだといいます。
リクエストの多い人気本は1冊で回らない状況も分かってきましたので、早速複本の発注も始めました。(人気の本は10人待ち以上になるということがわかりましたので。これでは2冊目を購入しないと間に合いません)
今までは、人気の本でもたまたま見つけた人しか借りられなかったり、同じクラスの中だけで回っていたり(そりゃそうですよね。次、私に貸して、と言われたら断れないですよ)だったので、リクエスト制度は大層喜ばれました。
2024/09/12 更新