かん子の連載

☆楽しい学校図書館のすぐに役立つ小話☆彡【司書は椅子に座ってピッとやるだけの人じゃありません。学校司書は忙しいんです。・2-6】

学校司書の桜李桃梨(おうりとうり)さんからの寄稿をご紹介していきます。
小話とは言えない😅、学校司書さんの忙しい日々をぜひご覧くださいませ~

☆ ☆ ☆ ☆ ☆  

2-6 リクエスト②
 
さて、あっというまにリクエスト制度が浸透すると、色んな声をかけられるようになりました。
「本屋さんにシリーズ最新刊、でてましたっ!」
「あの文庫のシリーズは、入りますか?」などなど。
みなさんお気に入りの書店やネットで文庫本はチェックしているようです。
うーん、デジタルネイティブだなぁ。
各社が出してるこども文庫は毎月かなりの数に登るので正直把握しきれてません。
それに、私が読んで面白いからといって、子どもたちにウケるとは限らない……むしろ、私が面白いと思う本はやめといたほうがいいかな、という感じです。
大当たりしてる本でもどこがいいのかわからない本もあるし、もちろん、むこうもこっちも大当たり~!というシリーズもあるんですが、結局、みなさんに聞いてみないとわからない、が王道……。
 
そこで、前に、文庫本のリストを掲示する方法を見たのを思い出してやってみることにしました。
さっそく司書教諭の先生にご相談したら
「へー。そんな方法があるのね、面白いわね、やってみましょう!」
と、即オッケーをもらいました!
 
昨年1月から発売された各社こども文庫の表紙と題名を列挙した一覧をWordで作り、それを貼り合わせた大きなポスターのようなもの、を廊下の掲示板に掲示しました。(これ、廊下に掲示するのがポイントです。気がねなく○をつけてもらえるので)
もちろん掲示する前の週の図書の時間に、全クラス、知らせました。
週に一回でも各クラスに図書の時間があると、本当に助かります。遅くとも一週間で全校にお知らせできるわけですから。
 
「来週、廊下に文庫本の一覧を貼ります。読んでみたいと思った本の下には○をつけてください。何冊○をつけてもいいけど、一冊に○は1つずつにしてください。○が沢山ついた本は購入します。」
と伝えると
「すご~い!」
「あれ欲しい、あれ!」
と、またまた歓声があがりました。
いざ掲示してみると、あっというまに子どもたちが群がり、次から次に○がつけられていきます。各社、かなり出しているので、一冊一冊は小さめにつくったのですが、貼り出してみたらそれでも4メートルくらいになりました。
朝早くきて一生懸命探していたり、休み時間にきて○をつけていたり、その掲示の前で楽しそうに話している人たちもよく見かけるようになりました。
掲示してから2週ぐらいするとかなりの本に○がついてだいたいつけおわった雰囲気になったので掲示を外し、○がついた本をチェックしました。
ホラー系はやはり人気。
その他にも
ええっ?これっ?
と思う本も結構あり、逆にこれはいるだろうと思っていた本が伸びなかったり。
否応なしに時は流れるのね、です。
発注リストを作って発注すると、ポスターのほうに
発注した本には「注文中」すでに学校にある本には「あります」のハンコを押しました。
本が来て装備が終わって貸し出せるようになったら、「来ました」のハンコを押します。
(ちなみにこのハンコは、消しゴムで私が作っています。別に難しくないです。簡単です)
そのポスターをもう一度貼り出すと
「注文中」というはんこを見て
「キャー!」
「おー!」という叫び(?)が聞こえるようになりました。
司書教諭の先生も通りがかりに見にきて下さり、「○がつく本とつかない本がハッキリわかれますね~」と大層驚かれていました。
ある先生にも通りがかりに「図書館は、今や廊下から始まるんですね!」と言われました。
 
そうですね。
😁
図書館前の廊下は図書館の領土だと勝手に思ってます、私……。
  
2024/09/26  更新