かん子の連載

水曜日の歌 ♬~ 第五十三回

あるだけの菊投げ入れよ棺のなか
夏目漱石

友だちの奥さんで、憧れの女性だった(といわれてる)大塚楠緒子(くすおこ)が亡くなったときの歌です。
悲痛感がまっすぐ伝わってくるでしょ。
もうなにもしてやれることがない……せめて、せめて、ありったけの菊の花を棺のなかに……と……。

漱石は正直いってあまり俳句うまくない……と思う……。
文章は名人中の名人だけど。
そのなかでは一番いいな、と思う、うたです。

2018/11/07