司書便りです。
司書便りです。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
1年生に
『あかがいちばん』
を読みました。
かん子さんのおすすめ本だったのですが、あまりにも繰り返しが多いため、1年生がどう反応するか予想がつきませんでした。
まずひとつめのクラスで読むと、子ども達の小さな声が聞こえました。
「なんであかじゃないといけないの?」
「べつにみどりでもぼくはいいけど……」
とーー。
他のクラスでも
「なんであかばっかりくりかえすの?」
というぼやきが聞こえてきました。
ページをめくるたびにそのぼやきが聞こえてくるので
(やっぱりこの本はあわなかったのかなぁ……)
と読んでるときには思ったのですが……。
そういいながらも、読み終わるまで、全員絵本から目を離さなかったんですよね!
最後まで、ちゃんと聞いていた……。
そうして、読み終わったらみんな笑顔になったのです!
あんなにぼやいてたのにもかかわらず……。
こんな本もわかるんだなぁ。今年の一年はホントに賢いです。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
<かん子より>
これはちょっと取り扱いが難しい本です。
なぜかというと、これは、自我を守る、がテーマの本だからです。
はじめから、自分の考えがはっきりあり、かつ、自分の主張をあまり邪魔されたことのない子どもたちには、この主人公の苦しみはピンとこないでしょう。
なにをいってるの?
になってしまいます。
逆に、主張したくない、と思う子どもたちも、共感しないでしょう。
そうして彼女は、声高にはお母さんに主張しません。
ですからこのお母さんは気がつかない……。
自分は気のきくお母さんのつもりでいて、娘の苦しみにも、この人にはいったってわかんないんだ、と娘が思っていることにもまったく気づいていないのです。
なので、この本は相手を選びます。
年齢に関係なくね。
わかる人にはわかる。
ストーリーにまったく動きがない、とてもハイレベルな本なのですが、いまの一年生にはわかってくれる人がいるわけですよねぇ。
すごいなぁ。